百鬼一族 血脈の書
七月下旬、伽羅の自室にて。 茹だるような暑さが樒や伽羅達の肌に纏わりつく。日差しの当たらない室内にでも、暑いことには変わりはない。弱っている母にはなおのこと辛いだろう、樒は横たわって眠る伽羅にゆっくりと扇子を扇いで風を送る。そよそよとした風…
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