百鬼一族 血脈の書

百鬼一族 血脈の書

当サイトは俺の屍を越えてゆけ リメイクのプレイ日記となります。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

それでも3

七月下旬、伽羅の自室にて。 茹だるような暑さが樒や伽羅達の肌に纏わりつく。日差しの当たらない室内にでも、暑いことには変わりはない。弱っている母にはなおのこと辛いだろう、樒は横たわって眠る伽羅にゆっくりと扇子を扇いで風を送る。そよそよとした風…

それでも 2

七月中旬、風鈴の音だけが涼しげな広間前の縁側にて。 縁側には右から順に山茶花、伽羅、恒春。三人して木桶にたっぷりと満たした水に足を浸し、各自で涼を取りながら目の前の光景を眺めていた。 「あー……あっつい。暑いだけど、凄く平和。良いことだよねー……

それでも 1

七月初頭、庭にある大きな梅の木の真下にて。 「本当に大丈夫なの?」 「大丈夫だって、芥子は心配し過ぎ。 そう簡単に人は死なない死なない」 「そう簡単に死ぬ呪いに掛かっているから心配になってるのよ、こっちは……。 ……明日には私は天界に行くわ。 だか…